探偵が調査を行なった事実を

マルタイ(調査対象者)に知られる日が

いつかはきっとくる

裁判や調停などの法廷で

夫婦間や恋人間の話し合いの中で

調査報告書が対象者側に提出され

もしくは、口頭で調査を行なった事実を述べる

そりゃそうだ

依頼者さんの多くは

その為に料金を支払って調査するんだから

ただ

それを以って

その案件がフィニッシュならばええのであるが

中には

マルタイに調査の事実が伝わった後でも

調査を行なうことになる案件が必ず出てくる

別れたはずの対象者が再度交際発覚

話し合いの後も交際が継続されている

なんてケースがそうだ

でも

探偵にとってそれほど難しい調査はなく

警戒だらけの中、調査を行なうとなると

普段の何倍

否、何十倍も辛い

調査員の増員と調査車両の増大で対処できればええが

探偵とて人間

透明人間のように消えることも出来なければ

スーパーマンのように空も飛べない

とはいえ

断ることは簡単ですが

「出来ません」

ということが最も嫌いな番長の性格上

調査続行に対するリスクは十分説明しながらも

引き受けてしまう

そうなると調査員は大変だ

スゲー緊張感の中、尾行することになるからな

だけど

プロの探偵である以上

泣き言は言えないし

言わさない

代表者である番長が決めたことだ

やりきるほか選択肢はない

まあ

そういったシチュエーションでの調査方法まで

探偵学校で教えるということは無理があるから

実際に探偵になってから

そこの探偵社の先輩や代表さんに

みっちり仕込んで貰って下さい

ぬるい状況下での尾行ばかりやっていて

そんなので尾行が上手くなったと勘違いしてちゃダメだ

口から心臓が飛び出そうな緊張感の中

人を入れ替え

車を入れ替え

決して近づかず

決して見失わず

ドキドキしながら調査を行ない

結果を出してくる

それも探偵の醍醐味なんだな