仕事に向かう途中の生活道路でのこと

いつものように運転をしていると

道路の中央付近になにかが見える

スピードを落としながら近づくと

どうやら「猫」のようだ


あちゃーっ!

可愛そうに・・・

交通事故に遭ったんだな



と思い

その猫に目をやると

!!!!

目と目が合った

しかも

めちゃめちゃ悲しそうな目

すぐさま左側の空いたスペースに停車

バックミラーで確認すると

夕方ということもあって

次から次へと車がくる


やばいな・・・

また轢かれるぞ



後続車も気配を察したのか

上手く避けてくれてはいるが

このままではいつまでもつか・・・


無理にでも行くか


車から出ようと扉を開けようとした時

後続の車の1台が番長の車の後ろに急停車

すかさず車から降り

素早く猫に近寄り

抱き上げた

20才過ぎの青年であろうか

その潔いというか

実直な姿勢に


よくやった!


と思う反面

本当ならば先に見つけた番長が

それをやっていなければならないのに

少しでも躊躇した自分に恥じた

そして


もう、俺はアカンな・・・

こんなことすらも簡単に

出来んようになったのか・・・



この先に訪れるであろう

現役の限界を垣間見たような気がした

5年前



2〜3年前の番長であれば

有無もいわさず

駆けつけたろう

躊躇した理由なんて

車通りがあったなんてのは

単なる自分への言い訳で

無理に通行している車を止めて

ええ格好しいと思わるのが嫌だという

思い切りくだらない見栄みたいなもの

それが無かったとは言い切れない

やらなければならないことが

目の前にあるのに

何を守ろうとしたのか

どうしようもない盆暗だ



率先して一歩を踏み出せない



正直

こんなことが数回続くようであれば

現役の探偵としては限界だと思う