探偵の仕事を続けていく上で大切なセンスは

「何故?」

「○○かもしれない」

をどれだけ考えられるかだと思う

真実は単純なものかもしれない

けれど

調査過程で「何故」「かもしれない」とあらゆる事態を想定することにより

調査の失敗比率がぐんと下がるからです

人間が行う行動には1つ1つに意味がある

たとえば

同じところを何度も回る対象者がいたとして

その理由である「何故」を注意深く観察すると

道に迷っている

尾行を警戒している

といった行動の原因が推測される

しかしながら

ただ道に迷っているだけ

ということと

尾行を警戒しているのでは

調査内容が180度違ったことになる

そこで「何故」から道き出される答えが重要になります

そして

1つの答えが出たとしても

常に「かもしれない」ということを想定しておく

この場合であれば

隣に乗っている女性としきりにナビを見ながら話し合っている

雑誌と照らし合わせながら走行している

などといった理由から

ほぼ、道に迷っているだけだろう

という結果が導き出されとしても

それでも

「尾行に警戒しているかもしれない

ということを意識しておく

行方調査などは尚更です

全ては「何故」から始まり

様々な情報から居場所を絞り込んでいく過程で

「かもしれない」と繰り返し裏付けを取って

どういう調査方針で進めていくのかを決める

そういった感性は

探偵業を続けていくうちに自然と身につき

磨かれていくものですが

中には

そういったことに鈍感な性質の持ち主がいる

番長の経験からすれば

体も大柄で

子供の頃から運動神経に優れ

腕っぷしも人より勝っている

そんなタイプにこの手の性格の持ち主が多いように思える

子供の頃からの環境から

警戒心という部分を必要としていない人生を歩み

それと並行してか理由は不明ですが

探究心も少なからず欠如していることが多いです

全てを外見で判断するわけではありませんが

そんな風に思うのです

ただ、それは

調査員という部類の仕事に関してだけで

経営者としての素質という面では

なに1つ問題はないことです

世の中には

従業員ではそこそこでも

経営者としては成功しないタイプの人もいれば

従業員としてはイマイチでも

経営者として成功するタイプの人もいます

そして

人は経験を積んだり学習することにより

成長していく生き物です

自分が至らない部分をどう補うか

これは探偵としてだけでなく

人として生きてく上で非常に大切な部分です

これから探偵を志す方には

「全ての面において鈍感にならない」

探偵をやめるその日まで

このことは忘れないでいただきたい

1つの調査の成功が

大きく調査員を成長させ

1つの調査の失敗が

依頼者さんに大きな失望を与える

その差は

天と地ほどあるのですから

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