自分は現代を生きていて

未来しか考えちゃいない

昔話をしているような年寄りは相手にしてられない

そんな風に考えて今まできたような気がするけれど

いつの間にか

昔話をしている自分がいる

古き良き時代ってのかな

そういうのが懐かしく感じるんだ

昔話って言えば

番長が最初に映画館で映画を見たのは

婆ちゃんに連れられて《岸壁の母》だったな

子供だったから内容はよく覚えていないけど

確か、戦争に行った帰らぬ息子を

ずっと待ち続けるお母さんの話しだったような

それよりも

映画が終わった後、婆ちゃんが泣いているのと

緞帳が閉まり、見えなくなるスクリーンを前に

お客さん全員が拍手をしていたことを

今でもよく覚えています

当時は今ほど娯楽が多くなくて

数少ない娯楽の中で

映画ってのはちょいと贅沢な楽しみだったのでしょう

映画が終わって面白かったと感じたら

自然と拍手がおきるのが普通だった時代です

拍手といえば

それから何年かが経ち

始めて飛行機に乗った時のこと

無事、着陸をして空港に着いた途端

乗客の多くがパチパチと拍手

今となると

無事、着陸できなかったら大惨事なので

普通に着陸するのが当たり前なんですが

人々が純粋だったのかねぇ

そんなことで感謝と感動がある時代だったのです

そんな人たちを

今の方は馬鹿馬鹿しいと笑うかもしれない

けれど

自分の気持ちに正直で

一生懸命に生きてきたという点においては

優れていたと思うんだ

貧しい人が多かったけれど

それぞれがプライドを持って

世の中には、頑張れば何とかなるという

夢や希望に溢れていた

とはいえ

根拠はなかったんだろうけどね

そういう時代だった

でも

今と何が違うのだろう?

その時代も生きてきたし

今も、当然だけど現役の社会人として生きている

俺は何も変わっちゃいない

世間だけが変わっていったんです

当時、若者だった俺たちと

今の若者とは何が違うんだろう?

物が溢れて贅沢を覚えたから?

娯楽が増えたから?

携帯が普及したから?

恋愛や家族の価値観が違うから?

大卒が普通になったから?

景気が?

番長にはわからねえや

ただ、スレただけってのが率直な感想だ

冷めてる若者が多いってのもあるかな

まあね

人の価値観ってのは色々だから

他人がとやかく言うのはおかしけれど

損な生き方をしてるなって思える

偉ぶる気持ちはさらさらないけど

一時代前の

人生の先輩としてアドバイスをするなら

一回しかない人生です

クールでもいいし、それなりでもいい

でも

人生のうち

どれだけの期間であっても

学生時代じゃなく社会人になってから

恋愛以外に

一生懸命、何かに打ち込む期間があったほうが

絶対にいいと思います

でないと

昔話もできないような

淋しい人生になっちゃうよ

子供に期待ってのもあるかもしれないけれど

それも淋しいやん

自分にどんだけの物が残せるか

大切だと思うんだ

redio2


頑張れって言うのは簡単で

頑張るってのは難しいものです

誰も知らない

それを知っているのは

自分だけですから

失敗なんてないのです