探偵の仕事は人間相手

100%成功するとは限らない

事故もあれば、違反もある

そのリスクを全部含め探偵業なのだ

時には

調査がバレる時もあるんよ

調査員の尾行がバレるというのではなく

その殆どがクライアント側から

契約書やパンプレットが対象者に見つかる

クライアントの言動から悟られる

過去にあった調査では

1週間の尾行調査を行ない

クライアントに報告

当然、証拠VTRと調査報告書を手渡した

翌月、そのクライアントから電話があって

旦那さんの様子がおかしいので

週末だけ調査を行なって欲しいとのこと

通常通り調査を始めた

会社から出てくるマルタイ

駐車場に向かう



どうも様子が変だ

前回の調査では見られなかった警戒行動

しきりに辺りを気にしている

調査員に


「どうも様子が変だから慎重に尾行しろ」


伝達をする

駐車場に入り、車に乗り込むマルタイ

そして、駐車場から出る

いつもより少し距離を置いて尾行に入る

すると

曲がるはずのない方向へ曲がるマルタイ


「俺が行くから」
「わからんように尾いてこい」



マルタイの運転する車は片側2車線の道路

車通りの少ない道路で他の車を挟もうにも

車が来ない

通常では尾行がわからない距離を置いて番長

マルタイの車両が車線変更

そして赤信号

マルタイの車が停車

続いて番長の車

微妙にズレながらも横に並ぶ形で停車

すると

マルタイの車両が地味に車を前進する

よく見ると

番長の方を覗いているではないか

知らんふりをするも

ここまでくると絶対におかしい

調査員に


「調査中止!」
「尾行することを知ってやがる」



すぐにクライアントに連絡を取ると


「やっぱり!」


「やっぱりも何も・・・」
「どうしたんですか?」



聞くと

前回の調査報告書を隠してあった場所

その報告書を見られたらしいとのこと


「実家に置いておくと言ってたじゃないですか」


と言うも

後の祭り

こうなるとどうにもこうにも

尾行のしようがない

ていうか

不倫相手と接触するわけがない

まあ

クライアントを責めてもしょうがないので

黙ってはいましたが

迂闊すぎるわな

とまあ

この手の調査発覚はいくらクライアントに

釘を刺しておいても

年に1回くらいはあるもんなんですね

そういうことも全部踏まえて

探偵なんですわ

ドン臭い調査員はいくら言ってもそれがわからず

深追いして完バレ

やっぱ、危険な匂いに敏感じゃないと探偵はダメ

臆病な所はウサギ並みに臆病に

堂々とすべきはライオン並みに堂々と

その切り替えが出来ないとダメだな

とりあえず、その辺は

探偵学校の尾行実習で勘を養って下さい

マルタイとの距離

どこまでが安全で

どこからが危険か

100回も尾行すれば自然に身につきますよ