なんか

ほんと

一生懸命やって結果を出したのに

嫌になるような結末ってのがあるんだ

小さい頃に離れ離れになった母娘

その娘さんが結婚することになって

それまでにどうしても母親に会いたいって思うのは

人として当然の感情だ

そんな調査はいくら難しくたって

式までには間に合わせたいと考えるのは

探偵じゃなくても同じだ

そりゃ

他の仕事を後回しにしてでも

必死で探すさ



見つけたよ

こういった案件は

結構近くにいるもんなんだ

今回もそう

車で1日も走れば楽に往復できる距離にいた

数々の行方調査を行ってきた

プロの探偵とはいえ

依頼者の思いを考えれば

今度ばかりは

ハッピーエンドに・・・

感動のご対面・・・

そう願うよな

でも

現実はそう甘くはない

感動っぽかったのは最初だけだった

ちょいとだけ涙を流し

形通りのご対面を済ませたら


「言いにくいんだけど・・・」

「お金を借りたい」


そりゃ無いぜ

今までの娘さんの苦労を想い

探し出すのにかかった経費を考えたら

その台詞は無いやろ

なんてのかな

探偵やってりゃね

調査を行った結果

ハッピーエンドばかりじゃないってのは

重々承知してるさ

それでも


「今回ばかりは・・・」


祈るような気持ちで願う調査もある

それが

時には切なくも叶わない

そんな時は

依頼者さんの気持ちを考えると

ホント

やり切れない気持ちになる

それでも探偵なんよね

そんなことの繰り返しが探偵なんよ

プロならもっとクールに

もっと事務的に

そうでなければいけないのかもわからんが

どうも番長は

そんな風に考えられない

今日も探偵

明日も探偵

このまま真面目に探偵を続けたら

10年後はどんな番長なんだろう

自分でもよくわかりません