マンションの玄関で井戸端会議をしているおばさん達

足元には丸められて捨てられた紙クズが落ちている

「誰が拾うのだろうか」

車の中から少しの間、眺めていたが

誰も拾う様子はない

しょうがないので

部屋に戻るついでに拾って

エントランスにあるごみ箱に捨てた

そこそこ大きなゴミだから

気づかないはずはなかろう

何の話題で盛り上がっているのか興味もないし

玄関にたむろされるのが邪魔と思う程度ですが

確かに

管理人が常駐しているマンションだから

そのうち片づけられるでしょう

たかが紙くず1つの取るに足らない話ですが

でも

こんな世の中で良いのだろうかと思えてくるのです

自分が干渉する範疇であるか否か

そういう価値観で判断すれば

長い人生の中では色々あるわけで

今は干渉する相手と判断していても

自分が意図しているわけじゃなくても

干渉する対象でないとなってしまった時には

微妙に歯車が狂いだし

その歪みは大きくなるだけじゃないかな

その関係が母子間であれば

腹を痛めて産んだ子ですから問題ないでしょうが

夫婦間であればどうでしょう

離婚率が30%に達したとされてから久しい

本心からか愛想笑いか

笑顔で話しているようにみえる彼女たちの未来が

幸せなものであるのかなんて誰にもわからない

正直

赤の他人がどうなろうと知ったことではないけれど

自分の周りだけは

自分たちが住んでいるマンションのエントランスに

落ちているゴミくらいは当たり前のように拾える

そんな人たちであって欲しいし

拾える人であり続けたいと思うのです

紙屑