また５時か

いつもの時間だな

さて

一人前の探偵になりたい

一流の探偵になりたい

そういう彼らに、彼女らに

何を語り

何を教えればいいのか

いつも迷う

人それぞれ

性質も感性も違うから

これだとする正解はないんだろうけど

やっぱり最後は

探偵としての正しい価値観をもち

経験や自分が学んできたことを信じて

初心を忘れずに

精進を重ねるしかないんだな

三年働いた

五年探偵をやっている

なんぼか尾行調査が上手になったとかは

関係ないとまでは言わないけれど

あんまり重要ではないんよね

その期間に

何を学び

何を感じ

どう悟ったのか

今とこれからが大切なんだ

物事の全てには理由があります

原因と過程

結果があります

それを冷静に分析し

正しい結論を導く能力は

年数とか

経験じゃないんだな

今ある彼ら、彼女らの

志というか

探偵という仕事に対する

忠誠心なたいなものかね

とにかく

自分の心に負けたり

何かに逃げたりすれば

一流への道は

どこか遠くにいってしまいます

探偵にも王道というのがあるとすれば

潔く

真っ直ぐ歩む者にしか

その王道は示されない

近道はないのです

歩む歩幅は様々なれど

王道は一本しかないのです

誰しもに平等に与えられた頂でも

限られた者にしか到達できない現実は

道を誤るからです

己に負けてしまうからです

時に間違った道が近道のように感じたり

羨ましく思えたりすることがあるでしょう

でも

王道は一本なのです

それを誤ってはいけません

実直すぎるほど実直

それでいいのです