長引くコロナ禍の生活も影響しているとは思いますが、マンションやアパートにお住まいの方による騒音トラブルの相談が非常に増えています。

騒音被害は夜間に集中する傾向があります。

警察や管理会社に相談してもどうにもならないと困っているケースが目立ち、弁護士事務所にまで相談されている方も少なくはありません。

形式上は、各都道府県の条例で定められた騒音に係る環境基準値を超えていれば騒音とみなされるのですが、騒音を計測した数値が基準値を超えているのが確認されたとしても、騒音トラブルが解決できるかはまた別の話しです。

条例で定められた騒音に係る環境基準値とは、たとえば愛知県での住居地域では昼間55db(デシベル)、夜間45dbになります。

騒音値を計測するには専用の測定機器を使用するのですが、被害者が購入して計測したとしても証拠能力としては乏しく、意味のない証拠収集行為になってしまいます。

JISといった規格をクリアした測定機器を正しい計測方法で使用し、計測された数値を第三者(弁護士などが望ましい)が確認するか、調査会社の調査報告書が必要になります。

それも1日だけでは「たまたま騒音が起きてしまった」とされてしまいますので、継続された騒音被害があることを証明しなければなりません。

ですので、解決までに長い期間と多額の費用がかかってしまう可能性があるのです。

騒音被害者が複数いる場合は、共同で解決をしていく方法も考えられますが、個人での負担となるとかなり大きくなります。

引越しが難しい分譲マンションでの騒音トラブルであれば、それも覚悟して対応することもやむをえないかもしれませんが、賃貸マンションであれば引越しを考えられた方が良いケースもあります。

被害者なのに泣き寝入り?と理不尽に思われる方も多いでしょう。

ただ、費用対効果や労力を考えると仕方がない選択かもしれません。

それとは別に、騒音加害者であると言いがかりをつけられて困っているという相談も少なくありません。

マンションの建築材質によっては、音が反響するため、実際は下で発生している音が上から聞こえるということは珍しくないことから、階下の騒音被害者である住民から勘違いをされることがありません。

また、神経質な方が周辺にお住まいになられている場合、僅かな音でも敏感に反応される恐れがあります。

足音や話し声だけでなく、エアコンの室外機や換気扇の音など言いがかりに近いクレームが連日寄せられ、怖くて仕方がないとの相談が寄せられたりします。

こういった場合も、自分が騒音を出していないことを証明しなければいけないという理不尽なこともおきえます。

このように、騒音トラブルといっても様々なケースがありますので、状況によって解決法も異なるのです。

調査会社に調べてもらって、弁護士に依頼すれば解決できるものばかりではないことをご理解ください。

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