大手退職代行サービス会社が非弁行為で家宅捜索を受けたとのニュースが報じられています。

大きな利益をあげているとのことで、おこぼれに預かろうと探偵業界でも退職代行業務を行っているところもあるようです。

そのような状況下において、早い段階で「弊社も導入を」と一瞬頭をよぎりましたが、どう考えても非弁行為のハードルをクリアできないと早々に断念したという経緯がありました。

なので、私の感想としては「やっぱりね・・・」になります。

ここで、東京弁護士会からも【退職代行サービスと弁護士法違反】と題する啓発文が発表されていますので、ご紹介しておきます。

今回の摘発は依頼人を弁護士に紹介するかわりにマージンが発生するという、いわゆる「非弁提携」のような部分が違法とさると判断されたようですが、弊社的には、そもそも退職代行という業務自体がかなり怪しいグレーで手を出してはいけない領域だと判断していました。

探偵業を行っていく以上、あらゆる部分で非弁行為にならないよう注意が必要です。

例えば、浮気調査の結果、解決を目的とした示談を含む話し合いの場が設けられることは少なくありません。

そこで、「探偵さんも同席して頂きませんか?」とお願いされることは多々あるのですが、「非弁行為という違法行為になる可能性があるので、同席は出来かねます。」とお断わりしていますし、そのように指導も行っております。

なので、YouTubeなどで流されている浮気調査の後、示談交渉している映像などは「これ、法的にアウトなのでは?」と思いながら見ています。

非弁行為もさることながら、内容によっては探偵業法第十条(秘密の保持等)にも抵触する可能性もあるように思います。
探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。


いくら対象者にモザイクをかけたとしても、依頼人が顔出しで出ている以上、見る人が見れば誰かわかることからグレーで済む問題ではないのではないでしょうか。

そんなこんなで、たとえ正義の名の下という背景があったところで、非弁行為をしても良いということにはなり得ません。
ましてや探偵業という法律に密接な関係にある業種だからこそ、慎重になるべきです。

退職代行サービス業界がこれからどうなるのかわかりませんが、生き残ったとしても派手にやっていくのは難しくなるでしょう。

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